私は、35年以上のキャリアを持つ自称ギターマニアであり、そのうちの28年間は1人の女性と結婚しています。このことは、私をある専門家にしてくれました。
つまり、ニューギア(新しい楽器)を手に入れる交渉をすることです。
私は、何よりも私の妻を愛しています。ですが、たとえ最高の結婚でも、時には敵対的な交渉や慎重な『小細工』の必要もあるという事実に立ち向かいましょう。
愛情を活かし続けるという精神のもとに、嘘をつくことなく、『新しいギター』をあなたの家にお招きするためのヒント、ベスト10を紹介します。
10.
家に転がっている新しいギターは、友人のもので自分はそれを借りてるだけだよ! ということにします……。いや、これでは確かに二流の作戦、下の下策ですね。
(しかも、これは結局ウソですね……、良くないスタートを切ってしまった……。)
9.
内緒の海外銀行口座を持ちましょう。
(私はこれも一種のウソだと思います。しかも思っていたより難しい……。)
8.
あなたが新しいギターを持って帰る前日に、彼女に無制限の無料肩もみ券をプレゼントします。
はい分かっています。こんな方法、使い古された陳腐な方法ですよね。でも、一つポイントがあります。裏面にあなたが小さく、こんな文言を書いておくのです。
~この肩もみ券を受け取ることは、「新しい音楽用品の取得に抗議する全権を放棄する」という無記名式の同意書となります。「肩もみ」のご用命は状況によりご希望に添えないこともございます。~
(これはウソついたことにはなりません。法的な契約を記載しただけで、奥さんが読まないのがいけないのです)
7.
奥さんが新しいギターに気づかないくらい、山ほどのギターであなたの家を満たしましょう。
(これで、あなたがウソをつく必要は金輪際無くなりますよね!)
6.
新しいギターを買います。そして、その新しいギターを「キーパー(大切にしておきたいヤツ)」であると判断したら、その代わりに古いギターのうちの1つを売ることを奥さんに約束しましょう。
ただし、実は、それを判断するには10年はかかるということにしておきましょう。
(厳密に、これはウソではありません。あなたは理知的な判断をしようとしているだけなのです。それは悪いことじゃない、とても素晴らしいことですよね!)
5.
「そのギターを弾くたびに君のことを思い出せるから」と、奥さんに新しいギターの色を選んでもらいましょう。(小細工はウソとは呼びませんよね…?)ただ、この作戦はとても危険を伴います。トム・クルーズが、映画『A Few Good Men』のラストでジャック・ニコルソンにCode Redを命令したことを追求するシーンと似ています。しかしながら、適切なタイミングと少しの幸運があれば、奥さんをギター選びにノリノリにさせることができます。
注意:この賭けに失敗することは、危険な面もトム・クルーズの身に起こり得たものとよく似ています。もしこの作戦がマズいことになってるなぁと感じたならば、死に物狂いで方向転換し、奥さんの気持ちや持ち物についての話を聞きだしましょう。大いなる力があなたと共にありますように……。
(※SPOON注:この話は映画を見ていないとなんのこっちゃ分かりません。要は絶妙なタイミングを見計らって、効果的な決定打を放つべしと言っています。気になる方は「A Few Good Men」見てみてください……。)
4.
あなたの新しいギターを、奥さんにプレゼントとして贈りましょう。こうすれば、彼女は恩知らずの世間知らずになりたくないので、「要らない」と言わせません。あなたは自分が好きなものを贈ってください! だってきっと半年以内にそれはあなたのものになりますから……! とても低い可能性ではありますが、奥さんがホントにギターを練習し始めたら……、まあ……、まだあなたはそのギター借りられますし。しかもギタープレイヤーの奥さんを持てますよ。どちらにしてもアツい!
3.
あなたの持っているギターを全部、完全に同じ仕様にします。72本全部です。え?73本でしたっけ?うへぇ、覚えておくほうが大変だぁ……。
2.
新しい家を買いましょう。 $300,000の家を買うのに$1,000付け加えても全然痛手はありません。ホントの話、家の購入はとてもすごいことですので、そんな人生の大きな決断をしたことのご褒美ともいえそうです。あなた同様に、奥さんにも彼女が自分の好きなものを買えるようにさらに$1,000予算に追加だ! それこそWin/Win/Winの関係です。そして事実上費用はなんにもかかりません!
1.
新しいギターは買わずに、あなたが今すでに持っているギターのネックを交換します。古いほうは保管しておいてください。そのあとは、ペグを交換してください。古いほうは保管しておいてください。それから今度はピックアップを交換しましょう。古いほうは保管しておいてください。ブリッジ。古いほうは保管しておいてください。ピックガード。古いほうは保管しておいてください。
このやり方を続けてみましょう。保管したパーツで新しいギターが一本できるまで……、いや、その『新しいギター』は、実は、昔のあなたのギターそのもの……。
これはテセウスのパラドックスのギター版で、『木製の船の部品をどのくらい交換すると、元の同じ船ではなくなるのか?』という問いと似ています。ギターならば、あなたのギターのどのくらいのパーツが交換された時に新しいギターになるのでしょうか? 50%? 51%?
しかし、この問題は、さらに一ひねり加わった思考実験です。なぜならこのプロセスの終わりに、オリジナルのギターがまだ存在するからです。オリジナルギターの『存在が無かった』時はあったでしょうか?
それとも『ずっと在った』のでしょうか。そして、そのギターが『ずっと在った』とするならば、あなたは新しいギターを買ってないはずなのに、もう一本の新しい方はどこからやってきたのでしょうか?
この問いかけは、きっと奥さんをしばらくの間悩ませるはずです。
何か他にアイデアがあるでしょうか? 是非とも教えてください! 真実の愛の行く末はそのアイデアにかかっています!
〜Warmoth USA Blogより〜
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〜SPOON 今村の感想〜
まず、上の文中の「私」は僕(SPOONの今村)ではありません! Warmothのブログ記事を書いたアーロンさんのことです。(2019年現在、僕はギター歴25年の、結婚歴10年です。もうすぐ記念日だな……)
僕は初めてこのブログを読んだときに、とても興味深く楽しく読みました。このWarmothの記事が、SPOONの「OVERSEAS」ブログを始めるきっかけだったのです。
何とも遊び心とギター愛、家族愛(?)にあふれたブログで、こんな記事を紹介するホームページがあればいいな、いや自分がやろう! と思ったのです。
ちなみにこの記事はWarmothブログの中でも一番反響のあった記事で、コメントもたくさんつきました。
~わはは! 有罪確定!~
~6をやってみたけど、一本売る前にまた二本目を買ったら怪しまれた……~
~1、6、7だな~
~「家以外でお金使って悲しませるよりいいだろう」と説得する……、か、奥さんのクローゼットを開けて、ハンドバッグと靴の数を数えるのはどうだ?~
などなど。
でも、この「1」の方法の発想は、本当に面白い!
真面目に考えるなら、ボディを替えた瞬間は、かなりそのギターの「存在」が怪しくなる瞬間だとは思います。
しかし、それを「人間」に置き換えるとどうだろう……、とか飛躍すると倫理観とかまで絡んでくる本当にすごい思考実験になってきます。
それはさておき……、「ギター欲と家庭愛」。
皆さんは、この”永遠のテーマ”、どう対応していますか!?
コメント大歓迎です!
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♪このOverseasブログは、海外サイトから見つけた記事を、SPOON今村が主観を交えながら(!)国内ユーザー向けに再編集したものです。
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おっととっと夏だぜ (金曜日, 15 3月 2019 18:54)
「1」のボディやらネックを替える話しは、ブラックジャックに似たような話があったのを思いだしました。パーツ替え過ぎたら何が「基」になるんでしょうね。
ウチは、子どもへのプレゼントと称してウクレレ買いましたよ!
SPOON 今村 (土曜日, 16 3月 2019 00:14)
>おっととっと夏だぜさん
コメントありがとうございます。
ブラックジャックでもありましたか!
ピノコ自体、パーツを組み上げたギターのような存在でしたね。
僕の考えでは、「1」の問い、つまり「どこからが新しいギターなのか」の問いへの回答は、「人それぞれ異なるので普遍的な基準はない」と思っています。(ずるいかな……。)
「基」になるものを判断するのは、結局のところ自分自身だと思うのです。
ただ、大きく判断が分かれだす重要なパーツは存在するとも考えます。
これは、少し怖い想像ですが、人間に置き換えて考えた時に、一番真剣な思考ができると思います。
例えば、自分の子供の「手」を他の人のものと移植しても、ほとんどの人が自分の子供だと言えると思います。「足」や「内臓」などでも同様でしょうか。
では、「顔」は……? 「脳」は……?
この辺りから、それを替えると自分の子ではなくなる、と考える人も出てくるのではないかと思います。
僕は、ギターの「ネック」と「ボディ」がその大事なパーツに当たると思います。
それでも、ギターには意識というものがない(はず)ので、それらを交換しても別物とは考えずに、持ち主の思考のみが投影され、以前からの愛機として扱えるのかもしれませんね。
Warmothブログの文中にもありますが、今回は交換部品が「まだ使える状態」にある、というのが話を一層複雑にしていますね。
これを人間に当てはめるのは、本当に倫理的な領域にまで及ぶ話題なので、今回は避けます……!
長々失礼いたしました。
ウクレレいいですね!
それは「4」番ですね!