まさか、こんな形でFountains Of Wayne (以下FOW) を紹介するブログを書くとは思ってもいませんでした。
先日、同年代のお客様とお話ししていた中で、このFOWに話題が言及した際に、「ベースの方亡くなられましたね」というお客様のお言葉。
陳腐な反応ですが、
え?
ってなりました。
FOWのベースは、アダム・シュレンジャー(左端)。
クリス・コリングウッド(Vo.Gu、右から二番目)の二人がメインで結成されたバンドです。
アダムは、僕の知る限りでは、最高のポップソングライターです。
「自分の記憶違いで、ベース違う人だったりして……」とか、無理やりな願望を抱きつつ(それでもメンバーだから嫌ですが)ネットで検索すると、2020/4/1にコロナウィルスの合併症でアダムが亡くなったという記事がありました。
単純に、悲しい気持ちになりました。
もちろん、多くの感染された方の出ているこの状況なので、特定の一人のことを惜しむのは何だか自分としては許せない気持ちもあるのですが、でも、やっぱり、好きなアーティストの新作が聴けなくなるのは、うん、やっぱり悲しいです。
この、すこしヤラしいPVの『Stacy's Mom』のヒットで、FOWは本国アメリカで軽く一発屋的な存在として扱われているようなのです。
FOWは日本では、知ってる人は少ないけど、知ってる人たちは大体お仲間! って感じのバンドでして、パワーポップやギターポップ好きにはしっかり愛されている存在のように思います。
しっかりとしたグッドメロディの曲が多くて、日本人好みだと思います。ある意味本国USAでよりも評価されていたんじゃないかな。
アダムはFOW以外にも、Tahiti80のプロデューサーと組んだ「Ivy(アイヴィー)」や、『MMMBop』のテイラー・ハンソン、スマパンの日本人ギタリストであるジェームス・イハらと結成した「Tinted Windows」などのキャリアに加え、映画やドラマの音楽制作も数多くこなしていました。
映画では(古いですが)、トム・ハンクス監督作の「すべてをあなたに」の劇中バンドが歌うヒットソング『That Thing You Do!(すべてをあなたに) 』や、ヒュー・グラントとドリュー・バリモアの「ラブソングができるまで」の劇中歌「Way Back Into Love」を含む音楽全般を担当しています。
何が「すごい」ってですね、
映画音楽を作る作曲家はたくさんいると思いますが、こうした「楽曲自体がメインテーマ」になる映画のその楽曲を作るっていうのは、本当にすごいことだと思うんです。
どちらの曲も、映画の中でヒットするんです。そのヒットする設定の曲がトンチンカンじゃ映画自体がトンチンカンになる。まさにこの曲の出来がこの映画の出来、と言えるくらいの存在だと思うんです。
それを見事にクリアして、映画を素晴らしいものにした、アダムの楽曲。
そのソングライティングのセンス!
ちなみにThat Thing You Do! はアメリカでも多くのバンドがカバーしています。アダムが亡くなったことを受けて、Green Dayのビリー・ジョーも音源をアップしました。
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敢えてブログタイトルは「現役No.1」と書きましたが、FOWはどうなるかなぁ……。
僕の人生のいろいろな場面で、FOWをはじめ、アダムの曲が流れていました。
誰しもに、必ず、これだけは「絶対」、この世に生を受けた以上必ずおとずれる、「その時」、に思いが向き、少しだけ、感傷的になりました。
ただ『Stacy's Mom』もそうなんですけど、曲(歌詞)は、ばからしいナンセンスなものも多くて、そこが好きだったなあ。
自分も適度にばからしくいかねばと思うのです。
ブログを読んでくれてありがとうございます!
SPOON
今村
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makko (水曜日, 17 6月 2020 11:45)
これまた音楽やアダム氏への愛情が伝わってきました。
私も氏が亡くなったことへの現実感が無かったのですが、
色々とネットで調べているうちに、ああもうこの世にいないんだなと
とても残念な気持ちになりました。
再びビルボードチャートに復活、ストリーミング再生が激増したなどの記事をみて、
かくいう私も段ボールからアルバムを引っ張り出してきて通勤の車で聴いております。
自分が歳を重ねていくと、大好きなアーティストとの別れをこれからも
たくさん経験することになるんでしょうね。
SPOONの中のイマムラ (木曜日, 18 6月 2020 17:14)
makkoさん
コメントありがとうございます!
僕はこれまで、「こういうことがあると急にもてはやす風潮」が好きじゃなかったんです。
でも、今回、多分初めてです。こうして話題にして、動画見たりして。
自分にとって、そうさせたのは志村さんより岡江さんよりFOWだったんですね。
でも、今、改めて考えてみて、何というか、何が悲しいのかなあ自分は。なんて考えたりしました。
好きなものが失われるときに、自分が失われること(の想像)と近い場所の感覚につながるのかな、なんて思ったり。
単なる「ざんねんだなあ」とは少し違ったんですよね、自分の中で。
別に頻繁に新譜を出してたわけでも、情報をいつも追いかけていたわけでもなかったんです。
多分自分の思い出を共有したものがなくなるような、すきなCDショップが無くなったり、通った飲み屋が無くなったような、そんな自分勝手な寂しさなのかもしれないなと、自分で思いました。
それが何であれ、おっしゃる通り、これからは多く経験していくことになりますよね。
そのことを寂しさでなく迎えられるような人間になりたいな、と考えています。
コメントありがとうございました^^!