この男らしい面構えのOPB(オリジナルプレベ)タイプ。
いつもSPOONをご利用いただいている東京都のS様のアイデアがつまった、Warmoth製のボディとネックを使用したオリジナルベースです。
このベースを今日紹介しようと思ったのは、おどろくことがあったからなんです。
見た目に分かるのは、ピックガードもコントロールプレートもないということ。これはリアルート、つまりボディの後ろにコントロールキャビティがあるタイプなのです。
そして、塗りつぶしなのでわからないですが、ボディはローステッドスワンプアッシュ、ネックはローステッドメイプルというローストローストしたベースなんです。
ボディはさらにチェンバード(セミホロウ)構造。
つまみは普通のメタルノブではなくHATA製ステンレスノブ。
プレートはESP製チタン。
ブリッジはBabiczのフルコンタクトブリッジ。裏通しです。
PUはベアナックル51'PB。
なかなかのこだわりパーツで組んであります。
ローステッド材は、水分が完全に抜けきっているので通常の材よりも軽くなります。
加えてチェンバード構造のリアルートボディ。
PUも軽量なシングルコイル一発で、コントロールもセレクターなしの2POTのみ。
いろいろ書きましたが、何が驚いたかというと、このベースの重量です。
僕(SPOONの今村)には、文章(ブログ)を書く際のこだわりがいくつかあって、その一つが単語の太さや大きさを変えて、文章を強調しない(しすぎない)というのがあります。
ブログなんかでよく見る、自分のギャグの決め手の部分で、『鳥の子がとりのこされた』とか大きく書くのは、なんだか恥ずかしいと感じています。ここで笑えよ! って感じがして……。
話が逸れましたが、今回そのこだわりを無視したくなるくらい、このベースの重量を強調したくなったのです。
なんと……、3.18kgです。
すごいでしょう!?
3.18kgなんてとても軽いエレキレベルです。
間違いなく今まで持ったロングスケールのベースで一番軽い。(ダンエレクトロのロングホーンも軽かった)
そして音は、S様のお言葉を借りると、
『かなりの❕ロングサスティーン ロングトーン スっ( ̄▽ ̄)YO(^^♪』
ということなのです。
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チェンバードボディがあまり人気がないのは、きっとレスポールのせいだと思います。
レスポールのチェンバードボディのやつは、確かに音の抜けないものが多い。
それもそのはず、以前ブログでも書きましたが、レスポール自体が音抜けを悪くする(良く言えばマイルドなサウンド)ことばかり目立つ構造だからです。
マホガニーという柔らかい材のボディとネックで、ジョイントもセットネック。
カバードハムバッカー。
ストップテイル。
これらの条件は全部サスティーンには好影響ですが、それによって音抜けは今一つになる。そのためメイプルという違う材をTOPに貼ることで、音色に張りを与えています。
ですが、これをチェンバードにしたら、ギター自体の生の鳴りはよくなっても抜けは悪くなるでしょう。
でも、レスポール以外なら、チェンバードは全くの悪かというと、そうとも言えないのです。
アッシュにメイプル指板のテレキャスにシングルコイルサウンドなんかを考えてもらうとわかりますが、チャッキチャキの音がします。
それをセミホロウボディにしたシンラインテレキャスターなんかは、案外バランスも良く、こもることはなく、いい具合です。
それよりも、軽く、豊かな鳴りが得られ、普通のソリッドギターには無い中域の密度がある、何とも"オトナな"サウンドが期待できます。
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と、S様のベースを弾いて、チェンバード考にまで話が及んだのでした。
腰痛に悩むベーシストは、一度検討する価値おおいにあり、です!
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今日の一曲はエド・シーランの"You Need Me, I Don't Need You"です。
以前、このブログでKT・タンストールについて書いたのですが、その時に少し言及した『ルーパー』を使ったCoolな一曲。
彼からは、こういうルーパーを駆使したラップ調の曲、そして"Perfect"や"Thinking Out Loud"などのようなバラード、"Castle On The Hill"などのポップス、"I See Fire"のような壮大なスケールの曲まで、本当に玉手箱のようにいろんな曲が、すごいクオリティで出てきます。
玉手箱って! て思ってほしくて大きくしました。
(もうやりません!)
今日もブログを読んでくれてありがとうございます!
SPOON
今村
SPOONのの中の今村 (月曜日, 10 5月 2021 23:04)
煉獄さん
コメントありがとうございます!
煉獄さんがSさんのプレイスタイルや人柄についてご想像されていて、
ベース一つの画像で、こんなにも、どのような人がこの楽器を持つのか想像できるって、これはカスタムギターやベースならではのことだなぁ、となんだか感慨深く思いました。
自分も、楽器店に勤めるまでは、本当にオーソドックスで派手だったり奇抜だったりするギターは全然見向きもしてませんでした。
でも、それぞれの楽器の良さや特徴があって、そしてそれを好いている人たちがそれぞれにいることを身をもって知ってからは、
気がつけばどの楽器も愛せるようになっていました。
僕はエレキばかり売ってますが、自分が演奏する時はアコギの方が得意なんです。いや、得意というかコードしか弾けないから、アコギの方がスタイルが合う、という感じです。
そうですよね! ストロークやアルペジオ好きなら、もう準備は万全ですね^^!
煉獄さんが、セパタクローのところのコメントの方と同じ方ということが判明しましたね。
いつもコメントありがとうございます!
煉獄 (土曜日, 08 5月 2021 19:07)
こんばんは、煉獄です。S様のベースはすっごくシンプルにそぎ落とされたスペックで、ライブ本番で音が出ないトラブルとは無縁な感じで潔いですね。セッティングもベース本体をアンプ直。後は
ベース側のヴォリュームをフルテン、以上。音色の変化は己のピッキングの強弱や弾く位置で変える。コンプもサンズアンプもいらねー!と、画像をぱっと見て僕はこんな事を想像していました。
これでS様のプレイスタイルや弾く音楽ジャンルが指弾きの方でしたら、ありゃりゃ!?ですけど、
(笑)3㎏は軽いですね。なんて左肩に優しいベース。重低音出るのかな?と思いましたがサステインが長い。いいじゃないですか。4、3弦のE音A音を伸ばした状態で1,2弦でアルペジオすれば
ソロベースもできちゃいますしね。ジョイントネック仕様でもロングサステインって可能なんですね。スルーネックの必要性は…デメリットしかない気がしますよ。折れたらおしまいだし、ネック交換も気軽にできない楽器なんて。
僕の今の好み(のギター)も学生の頃と比較すると許せること増えたなぁ。昔はリアハムバッキングPU1基のみなんて嫌でしたねぇ。音色の切り替えもできない、ダサいギターだと決めつけていました。80年代のLAメタルじゃあるまいし、リフはリアPU。ソロはフロントPUでしょ♪というこだわりがあったのに。
「ヴァンヘイレンみたいでいいなぁ。リア一発っていうのも。」と思うようになるなんて、ずっと
同じ気持ちのままでいることって難しい。単に僕が浮気性なだけですが…
セミアコの中空ボディのギターもここ数年気になっていて、ならアコギは?となるのですが、あれはボディのサイズや生音が大きいのでNG。自分の体型に似合わん!のですよ。
エレキギターの生音が大きいのは許せてアコギの音量に文句をつける人もあまりいないでしょうが、
この考え方も40、50になって変わるのだろうか… くーっ、Martin最高!と言ってる自分を想像したくないですが、自分の今までの傾向からいくと染まりそうだなぁ。
ストロークやアルペジオが大好きな人ですから(;^_^)
今回はセパタクローの時のようなギャグや笑える要素がなくてスミマセン。