「あなたのギターのナットの幅は何mmですか?」
街で急に尋ねられて、即座に答えることができる人は少ないのではないのでしょうか。(尋ねる人も少ない)
ギターのネックを「太い」「細い」と感じたりするとき、
また、ギターの弾きやすさを判断するとき、
じつはこのナットの幅が大きく関係しているのは、もう、誰が何と言おうと、誰も何も言うまいと事実なのです。
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ワーモスで選択ができる「ナットの幅」を、僕(SPOONのイマムラ)が紹介しながら、ナットの幅がどういう風にギターに、そしてプレイヤーに影響を及ぼすのか、を見ていきたいと思います。
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Warmoth(ワーモス)で選択できるナットの幅は、
・41mm (1-5/8")
・42mm (1.650")
・43mm (1-11/16")
の3種類が、どのコンストラクションでも選択可能です。
※よりワイドなナット幅をお求めの方は、44mm(ModernとVintage/Modern)、48mm(Modernのみ)というオプションもございます。
41mmはヴィンテージギターなどに見られることが多いようです。
42mmは現代のリイシューものや国内流通のギターによく見られるので、日本では一番一般的かもしれません。
43mmネックは、現行のフェンダーUSAギターなどに多く見られ、海外のモダンギターでは一番多いナット幅です。
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演奏面でいうと、ナット幅が狭いと、グリップ(ネックを握りこむ)での演奏がしやすくなります。
6弦や5弦を親指で抑えたりミュートしたりする演奏法も狭いナット幅の方がやりやすくなります。
また、ブリッジから伸びる弦の幅も少しせばまる(中央に向かう)ので、ハイフレットでの弦落ちもしにくくなります。
女性や手の小さい方にもおススメです。
主にリズムギタープレイヤーに歓迎されます。
ナット幅が広いと、各弦の幅も広くなります。
演奏する弦以外に指が当たるというようなことが少なくなるので、指の太い方や、ミスタッチを無くしたい方にもおススメです。
主にリードギタープレイヤーに愛されます。
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ネックのつくりの観点でいうと、ナット幅の広さは、その分ネックの容積の違いに関わってきます。
幅が広くなるにつれて、ネックの容積は大きくなり、その分重量も増えます。
それによってネックの鳴り方自体も少しずつ変化します。
お世話になっているデジマートのコラムに「ネックの厚みで音がどう変わるのか」という実験がありました。
これは厚みによる比較となっていますが、ネックの容積の変化(今回でいうとナット幅による変化)も同様なことが起きると考えられます。
「ネックが痩せると、音が痩せる」
と、言えそうな結果が出ています。
特にクランチトーンで顕著なのは、主に音の中域の成分に関わってくるのかもしれません。
※もちろんこれはあくまで「傾向」の話であって、実際にはこの実験のように同じネックを削って使うなんてことはほとんどできません。
ネック(木)が違えば、音も変わりますので、「太めのネックA」よりも「細目のネックB」が鳴る、なんてこともないわけではありません。
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もう一つ、これは先日お客様からいただいたお問い合わせへの回答の中で気づいたことです。
主にVネックに関して言えることですが、「ナット幅の狭いネックの方がグリップの角度がきつくなる」ということです。
(そんなの当たり前ですか!? 僕はこの年(もうすぐ40歳)で初めて気が付きました。)
どういうことかというと、Vの字のネックを三角形として考えた時、ネックの裏側のVのところを頂点として指板を底辺とした三角形ができるのはわかっていただけますでしょうか。
※画像の赤の三角形です
(数学の成績が悪すぎた僕にしては、一生懸命この上ない説明です)
この頂点の角度は、底辺(指板)の長さが狭くなると角度が急になっていくのです。
逆にナット幅が広くなると、底辺は長くなり角度は緩くなります。
Vにかぎらず、Cでも同様です。
ですので、ナット幅が狭い「C」のほうが「U」に感じやすいと言えるかもしれません。
この違いは、ネット付近のローフレットで顕著で、ハイポジションに行くにつれて違いは少なくなっていきます。
ネックエンドの幅はどのネックも同じだからです。
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ナット幅の選択で、ギターとプレイヤーにどういう影響があるかを見ていきました。
こうして改めて見ていくと、何とも重要な部分ですね。
自分も、体と態度の割りに手は大きな方ではないので、やっぱりナット幅は狭いほうが演奏しやすく感じることが多いです。
でもサウンド面への影響も考えると、グリップは厚めにしたいな、と思っています。
41mmとか42mmでファットバックが個人的には一番好みです。
良くわかんねーどこんな説明! という方は僕までご連絡ください。
好みや演奏スタイルをお伺いしながら、一緒に「合う」ナット幅を選択しましょう!
SPOON
今村
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カプチーノ早坂 (日曜日, 15 11月 2020 03:00)
一般的に言われている極太ネックで、それをアピールして市販されている既存のギターというのは
スタンダードなナット幅で厚すぎないネックのギターよりも少し数値が高めなだけで極太ネック扱いされてるようで僕の感覚で言うと少しも丸太ではなかった。今でも記憶しているのですがリッチーコッツェンの
シグネイチャーモデルより2000年頃出回っていたEdwardsのレスポールタイプのほうがよっぽど極太ネックでした。(後日ネットで調べたら、ナット幅44mmだそうです。)
幅40mmのギターも約47mmのギターも弾いて思ったのですが、クラシック式のフォームでやれば弾きにくいってことはないです。もし弾きにくいと感じるのなら慣れるまで弾き込んでないだけ、練習不足なだけです。手と指の長さが短い人で幅広極太ネックを愛用してる人はいます。手が小さいだのネックが太いだとか、そんなこと自分の努力と工夫次第でどうにでも解決できます。
スプーンの中のイマムラ (日曜日, 15 11月 2020 10:03)
カプチーノ早坂さん
おはようございます!
コメントありがとうございます。
おっしゃる通りで、記事内のリンクにあるデジマートの動画でも、24mm厚のネックを『極太』と称していますね。
僕がこれまでに経験した一番の『丸太』は、YAMAHAのダイナミックギター(50年代)でした。
クラシックギターに鉄の弦を張ったようなモデルですが、トラスロッドもなく、鉄弦に耐えられるネックの強度にするためにひたすら太く太くしたようなギターでした。
『練習不足』『努力と工夫』……。耳に響きます……。
たしかにクラシックフォームだと、あまり影響が無いと思います。
ちっちゃい子供がクラシックギターの48mmのナットとかで演奏してますもんね。
僕も「手が小さいから『無理』」という人には、「無理ではないよ」と言いたいです。(『無理』という言葉が好きじゃないというのもありますが)
FやBmも親指でいきたい僕は、48mmネックのエレキは遠慮しようかなと思ってはいます……。
カプチーノさんのおかげでこの記事を完全させることができました。本当にありがとうございます!
カプチーノ早坂 (日曜日, 15 11月 2020 22:10)
こんばんは。わぁ、嬉しい。こちらこそお礼を言わせて下さい。その…いやらしい言い方になりますが、
スーパーワイドファットネックをオーダーしたことで大分お金が浮いて(;^_^A およそ40~50万円くらいでしょうか。大体、極太だからって気軽に買えないですよ。サンタナモデルのPRSとか、フェンダー
カスタムショップのノーキャスター。フェンダーでヴィンテージ物の54年製ファットVのストラトの値段が異常で…あと、R.KのテレキャスターとJ.Bのストラトは太さが同じだとか、SRVのNO.1のネックはこれぐらいの太さだとか…「えっ、いいの?そんなにばらして!?」と言いたくなるほど今村さんから教えて頂きまして。そりゃあ、オーダーしますよ。極端に太いの(笑) 欲しいんだもん!
まぁ、僕が極太ネックを誤解してただけなんですよね。ナット幅が狭かろうがネックが厚いのを極太ネックというのに幅も厚みも凄い大きいのが極太だと勘違いしてましたから…
幅のあるネックでバレーコードのストロークもなかなか気持ちいいですよ。人差し指の側面や親指の第一関節の裏側にビリビリ振動が来て文字通りシビレています。本当にありがとうございました。
SPOONの中のイマムラ (日曜日, 15 11月 2020 22:57)
カプチーノ早坂さん
コメント返信ありがとうございます☆
カプチーノさんの、モデルも形状も関係ない『極太ネック』への熱い思いに、自分は目からウロコ、心からアカが出る(キタナイ)思いだったんです。とにかくいい音を希求しているのが分かって、そのためには見た目は関係ないという感じがしたんですね。
多くは、見た目や演奏スタイルなんかが先にまずあって、その範囲の中でどこまでやってみるか、とというのがほとんどだったものですから。
結果、超幅広の超極太エレキネックを試させていただき、多くの学びを得ることができました。本当にありがとうございます^^
ちなみにリッチーコッチェンのネックの方がJBネックより太いと思います。既成モデルでは一番じゃないでしょうか。
前のコメントのラストに誤字がありました……!
×『この記事を完全させることが』
○『この記事を完成させることが』
です。
また、いろいろと一緒に研究させてください☆
いつもありがとうございます!